2010年02月10日

AK47、T型とU型のレシーバー比較。

傾注!
諸君、ようこそ。

要望があったので、AK47の続きを。


AK47T型・U型.jpg

左がT型(プレス)、右がU型(削り出し)です。こうして並べてみると、違いがはっきり判ると思います。



AK47レシーバ.jpg

こちらはT型のレシーバーを横から見た画像。内部パーツとレシーバーを固定するリベットが見えます。そうそう、T型だけどリブ付きのマガジンを使ってるよ?w


さて、プレス加工と削り出し加工のメリット・デメリットですが。

プレス加工

メリット:@生産効率が高く、量産するのに有利
     A製品にバラつきが出にくい
     B材料の無駄が少ない
     C工作機械を操作するのに熟練した職人が不要
     D@〜Cによりコストダウンが図れる
     E軽量化出来るので兵士の負担を減らす事に繋がる

デメリット@比較的高度な工作機械とそれを設置する大型の施設が必要


削り出し加工

メリット:@比較的簡単な工作機械と町工場程度の小さな施設で可      

デメリット:@インゴットから削り出すために材料の多くが無駄になる
       A工作機械を操作するのに熟練した職人が必要
       B職人の手造りとなる事からバラつきが出易い
       C@〜Bにより生産効率が低く、コストも高くなる
       Dプレス加工に比べて重量が増す


ざっとこんな所でしょうか。比べてみると、大量生産が必要な兵器にはプレス加工の方が向いているのが一目瞭然です。では、T型で採用されたプレスレシーバーを止め、U型〜V型まで削り出しのレシーバーが採用されたのは何故かと言いますと…。

当時のソ連ではプレス加工の技術が未熟だったため、使用する内に不具合が生じた事が原因と言われております。要するに強度不足だったらしい。そのため、すぐに削り出しレシーバーに切り替えたU型が生産され、V型まで引き続き使用されました。削り出しなら強度十分のレシーバーを確実に生産できますからね。尚、プレス技術の革新はソ連内でも継続されており、AKの後継となるAKMでプレスレシーバーが再び採用される事になります。

で、T〜V型の性能差ですけれども。実際に扱ってみると、殆ど差は感じませんね。私の周りには「特にT型は連射した時に中らない」とか言う人もいるんですが、こんなの、ちょっと工夫した撃ち方でクリア出来る問題です。尤も、これはU型とV型、AKMにも共通して言える話なんですけれど。

そうそう。「AKのファイヤリングピンは強度不足ですぐ折れる」との都市伝説がネット上にあるようですが、これは事実に反します。確かに、一時期の生産で不良品(焼き入れとかの失敗ですかね)のファイヤリングピンを組み込んだものがあったらしいのですが、おそらくはその辺から来ている誤解かと思います。そもそも、ファイヤリングピンなんて消耗品だし、折れたら新品に交換すりゃ良い話。まあ、少なくとも、私の経験ではファイヤリングピンが折れるなんて事はありませんです。






本日の鍛錬度:☆☆☆☆☆☆6



posted by 隊長 at 21:58| Comment(14) | TrackBack(0) | 兵器 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
とても分かり易い解説ありがとうございます。
プレスから削りだし加工に変えた経緯にこういったことがあるのですねえ。
自分はプレスより削りだしの方が大規模な工場が必要でより複雑な工作機械がいるかと思っていましたが逆であったと知ることができまして良かったです。
とても面白い記事をありがとうございました。
Posted by 名無し三等兵(愛知の小野です。) at 2010年02月10日 23:14
機械屋ですが。簡単に書きますね。(´・ω・`)
プレス機ですが、基本的にはご存知の通り鉄板を型で挟んで押し曲げて加工します。
勿論それには膨大な力が必要になりますし、型も重くてでかい。
AK47のレシーバーの加工に何トンの加工機が必要かわかりませんけど、800トンくらい?
精度を上げるには型を下ろして行く速度も制御する必要があります。
また下側の型を支える機械の下側もかなりしっかりとした基礎の上に設置される必要があります。

対して削り出しですが、汎用機と言われる比較的簡単な工作機でできます。
勿論こちらもふにゃふにゃな基礎の上に設置したら精度はでませんけど、プレス機に比べたればまだ簡素なもので大丈夫。

関係ないですが、最近のプレスは、多段に順送にと、なんか魔法のように複雑な形状を造ってしまいます。
見学にいくと観てて飽きないですよ。(´・ω・`)


Posted by 播磨屋 at 2010年02月11日 00:07
フフフ ロシアはいいぞ。ケンシロウ(アミバ様な挨拶)

ありがとうございますッ!
ストーム・オブ・カンドーでございますッ!

普段見ることができないものを見れることが出来て感謝しております(`・ω・´)
Posted by カツシコノフ・スクミズノフスキー at 2010年02月11日 00:11
播磨屋さん
更なる解説ありがとうございます。
なのでプレス加工に大規模な設備が必要なんですね。
Posted by 名無し三等兵(愛知の小野です。) at 2010年02月11日 00:37
自分の住む所が愛知県の知多のほうなので
新日鉄名古屋製鉄所(実際は東海市)
に見学に行ったことはあります。
圧延鋼板(自動車用鋼板の材料)のラインをみ増したが、すごいです。
真赤に焼けた厚板状の摂氏1200度の塊が時速50kmぐらいで移動してました。

Posted by 名無し三等兵(愛知の小野です。) at 2010年02月11日 01:40
失礼しました。
一部変換ミスがありました。
Posted by 名無し三等兵(愛知の小野です。) at 2010年02月11日 01:42
製鉄所も面白いですよねー。
圧延鋼板の”引っ張り具合”は結構最近まで職人芸の世界だったそうですねー。

この系統だとバネの製造工程もなかなか面白いんですよ。(´・ω・`)
最近は可変径に可変ピッチですからー。
Posted by 播磨屋 at 2010年02月11日 01:53
今回は話題に上がってないけど、鍛造も萌えるニダ(´・ω・`)
Posted by 播磨屋 at 2010年02月11日 02:02
自分の父親が溶射溶接関係の仕事をしていますが
溶射や溶接も萌ます。
仕事での資料を見てみるととても面白かったりします。
Posted by 名無し三等兵(愛知の小野です。) at 2010年02月11日 04:12
初めまして小隊長殿様。
話は違いますが違う掲示板で事情を知らず勘違いしていて申し訳ありませんでした。
プレス加工、削り出し加工でいろいろと特長が出るのでおもしろいですね。
Posted by デュオ at 2010年02月11日 14:32
デュオさん
>話は違いますが違う掲示板で事情を知らず勘違いしていて申し訳ありませんでした。

???何処の掲示板の話でしょう?
Posted by 隊長 at 2010年02月11日 17:54
あっ、掲示板じゃなかった。小銃少女のブログのコメント欄でのことです。
Posted by デュオ at 2010年02月11日 22:46
デュオさん
と言うと、向こうの書き込みのどれが君なんでしょう?
Posted by 隊長 at 2010年02月11日 23:04
「落ち着いて、他の場所で話ましょう。」とコメントしてたのが自分。
ハンドルネームもデュオのままで、一回だけコメントしました。
Posted by デュオ at 2010年02月12日 18:25
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