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毎日新聞から。
中国:ミャンマーと雲南省結ぶ石油・ガスパイプライン着工
【北京・浦松丈二】ミャンマーと中国雲南省を結ぶ石油と天然ガスのパイプラインが着工した。中国石油天然ガス集団(CNPC)が明らかにした。ミャンマー軍事政権に支払われる使用料などは外貨準備の約3分の1にあたる年間10億ドル(約900億円)以上と見積もられ、中国が国際的に孤立する軍事政権を全面的に財政支援していくことが確実になった。
10月31日に石油パイプラインの起点となるチャウピュー湾マデー島で行われた着工式で、CNPCの廖永遠副社長は「パイプラインは両国の長期的な共同発展にとって重要な意義を持つ」とあいさつ。掘削機などが湾内で作業を開始した。
計画によると、パイプラインは石油と天然ガスが並行して走り、全長は771キロ、原油の年間輸送量1200万トン。沖合から出る天然ガスとマデー島で陸揚げした原油を中国雲南省瑞麗まで運び、昆明で精製する。年間2200万トンまで輸送能力を増強。13年の完成を目指している。
中国は93年に石油純輸入国となり、08年通年の輸入量は2億6700万トンと輸入依存度が51%に達した。輸入の8割は中東アフリカ産原油で、地形上、狭いマラッカ海峡を通って中国国内に運ばれ、事故などの際には国内へのエネルギー供給が止まる恐れがある。
中国にとって新たな石油パイプラインが全面完成すれば、現在、マラッカ海峡を通過している原油の約1割を海峡手前のマデー島で降ろすことができるため、エネルギーの安定確保につながる。石油だけでなく、天然ガスパイプラインも雲南省など内陸部のエネルギー不足解消の切り札と位置づけられている。
しかし、今年8月にはパイプライン通過予定の国境周辺で、軍事政権と少数民族が武力衝突し、約3万人が難民となって中国側に越境した。不安定な地域を通過するパイプラインに投資した資金を回収するには20〜30年かかるとみられ、中国は軍事政権の安定により深く関与していくことになりそうだ。
2009年11月5日
相変わらずと言うか、中国は着々と海外の地下資源を確保してますね。
元々、ミャンマーは日本がかなりの援助をしていたんですが、軍事独裁政権だからと非難する声が大きくなったので、援助額を減らすハメになったわけです。当然、財政状態が苦しくなります。その苦しくなったところへ中国が援助を申し出て、現在に至ると。つまり日本は、ミャンマーにおける地下資源獲得で中国に敗北した事になります。アウンサン・スー・チーを開放しろとか、ミャンマーの民主化を!なんて叫んでた人達は、そんなこと気が付きもしないでしょうが。
確かに、ミャンマーの軍事政権は独裁だと非難されています。さらには北朝鮮や中国との関係を深めているとして非難する人もいます。でもそれって、本当は誰が何の目的で言っているのかを考えてみる必要があります。つまり、そうした“国際的非難”の裏には、ある特定の意思が働いていると言う事です。この話、ミャンマーという国名を認めず、未だに「ビルマ」と呼び続けている国がどこであるかを見れば、何となくわかるかと思います。
さて、以前も書いたことですが、軍事政権、それも独裁でなければ維持できない国もあるわけです。かつてミャンマーは英国の植民地でした。その際に英国が行った民族分断(宗教他による)が原因で、今も少数民族との小競り合いが絶えません。そして、現在の軍事政権が倒れ、スーチーのNLD(国民民主連盟)が政権を握ったらどうなるか?形はどうあれ、かつての植民地に逆戻りなのは間違いないでしょう。こうした事情があるので、独裁だの人権無視だのと非難されようが、当面は現在の軍事政権でやっていくしかないのです。
また、北朝鮮や中国との関係についての非難ですが、これもお門違いです。そもそも、生き残る為には手段を選ばないのが国家というものですし、現在ある中国との親密な関係は、日本が援助を減らしたのが原因なのですから。
中国が影響力を高めている事については、「結局、中国に飲み込まれるのでは?」と思う方もいると思います。確かに、中国のやり方にはえげつない所があります。しかし、かつての宗主国のえげつなさを思えば、まだマシかも…と、現軍事政権は考えたのかも知れませんね。尚、この件については北朝鮮との国交回復及び軍事・政治両面での急接近を見逃してはならないと思います。
意外に思われるかも知れませんが、中国が地下資源を漁っているアフリカ諸国などから見ると、北朝鮮は眩しい存在です。それは北朝鮮が中国と国境を接しているにも関わらず、中国を抑えてウラン資源の自主開発を行っているからです。
中国はアフリカの地下資源開発で、利権獲得のために兵器をふんだんに供給しました。そして、それは部族対立の残るアフリカ諸国で内戦を誘発することになり、国土が荒廃する原因にもなったわけです。そうしたアフリカ諸国から見れば、中国の介入を許さずに独自のウラン資源開発を行っている北朝鮮の金日成将軍は、偉大な政治力を持つ存在として映るのでしょう。
もしかしたら、ミャンマーの軍事政権もアフリカ諸国と同じ感想を北朝鮮の金日成将軍に対して持っているのかも知れません。政権維持のために中国との関係を深めてはいるものの、影響力が増大するのは望んでいないはずですから、北朝鮮のやり方に学ぼうとしているのではないかと、私は考えています。
ところで…。
以前にも書きましたが、北朝鮮は地下資源の宝庫です。ウランのみならず、タングステン、マグネシウム、マンガン、モリブデンなども豊富です。韓国の李明博政権が国内の批判を承知で北朝鮮の援助を行うのも、この地下資源開発が目的であることを忘れてはいけません。
対して日本はどうでしょうか?政権交代しても北朝鮮への経済制裁を続け(政権交代は北朝鮮との関係改善に良いチャンスだったのですが)ているのですから、韓国はもちろん、中国やロシアもニンマリしていることでしょう。
このままで良いのでしょうか?思い出して下さい。今も北朝鮮に残る、膨大なインフラを整備したのは朝鮮総督府=日本であることを。そして、地下資源について調査したのも日本だと言う事を。インフラ整備と調査にお金を掛けて、さあこれからという時に敗戦でパーになったんです。中国やロシア、韓国などが北朝鮮の地下資源開発に乗り出すのを、このまま指をくわえて見ているわけには行きませんよ?
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